ストレスで吃音がひどくなる

ストレスを感じている時、どもりが酷くなるという経験は吃音者なら誰もが感じていることでしょう。

「大事な契約」、「大勢の人前での挨拶」、「苦手な電話」など、こういった状況の元で起こるストレス、それは確かに問題です。

ですが、吃音者にとって本当に危険なストレスというものが2つあるのです。

その2つのストレスを受けることによって吃音はひどくなり、手がつけられないくらい悪化します。

本題に入る前に、「なぜ、ストレスが吃音にとって関係があるのか?」その知識を得ることが、悪い状態を抜け出す為に必要な知識となりますのでしっかり覚えておいて欲しいと思います。

ストレスに大きく関係する2つの脳内分泌液

ストレスついて簡潔な説明をしておくと、「アドレナリン」と「コルチゾール」という2つの脳内分泌液が大きく関係しています。

例えるならアドレナリンは暴れ回る子供で、コルチゾールはそれをなだめる母親といったとこですね。

アドレナリンはストレスとなる興奮を起こし、コルチゾールはその興奮を沈め正常化させる働きをします。

つまり、アドレナリンが高く、コルチゾールが低い時はお手上げ状態となるわけです。最も吃音が出やすい状態と言えるでしょう。

 

ストレスでどもる理由

ストレスは一般的に「心の問題」と考えられていますが、実は吃音者にとって「身体的な問題」とも言えます。

2つの側面からなぜ、ストレスがかかると、どもってしまうのか?その仕組みを簡単に説明させてください。

(参考:言葉が出てこない2つの原因

 

1・吃音の引き金になる心理的反応

海馬ーという単語は誰もが一度は聞いたことがあると思います。脳の記憶などを司る部分です。

この海馬の部分はコルチゾールがちりばめられていることから、ストレス信号に大して非常によく反応します

軽いストレスは馬を動かすムチのようによい刺激になりますが、強い刺激は脳の動きを鈍くさせます。

そうなるとあらゆる能力が低下します。その中には「言葉がすらすらと出なくなる」という症状も含まれています。

 

2・吃音の引き金になる身体的反応

ストレスを感じている時は、体でも感じる事が出来ます。

はらわたが煮えくり返るーという言葉もあるように、ストレスはお腹からやってきます。

それは、ストレスを感じさせるアドレナリンが発射されるのは脳ではなく、肝臓の上にある副腎という部位から血液にのせて体を駆け巡るからなんですね。

ストレスを感じるとお腹のあたり(副腎)でアドレナリンが大量に作られ、そこから頭へとどんどん運んでいるんです。

その過程で、お腹に力が入ったり、喉が詰まったりといった筋肉反応(バルサバル反射)が起こり、吃音の引き金となってしまうことが多いのです。

(参考1:ストレスは吃音を増減させる 参考2:吃音の原因は脳による5つの事柄

 どもりを酷くさせる2つの悪いストレス

どもりがひどくなった

瞬間的に起こるストレスというのは100%防ぐことは不可能です。

もし、そんなことが出来るとしたら生物的に大きな欠陥があるということになってしまいます。

ストレスは動物が天敵に出会った時、危険を知らせる大切な役目を行っています。

ストレスがないとあらゆる間違いを繰り返すことになり、まともに生きていけないでしょう。

吃音改善において、とてもやっかいな、危険なものはそういった瞬間的なストレスではなく、次の2つになります

 

吃音にとって悪とされるストレスは、

・長期的なストレス
・無力感からくるストレス

の2つになります。

・吃音を繰り返す脳を作るー長期的なストレス

先ほども言ったようにストレスというものは生物学的に言って「危険を回避する能力」というところから生まれています。

ですので、体というものはストレスを長期的に持ち続けれるように出来ていないのです。

吃音者が悪化するパターンはどもってしまったことを失敗だと認識しそれを何度も思い出したり、先の心配ばかりをしてしまうことにあります。

本来、手放さなければいけないストレスをいつまでも抱え込むことによって吃音も定着していきます。

 

長期的ストレスへの対策

もし、吃音が出て、恥ずかしいと感じたりしてしまっても、それにあまり構わないことが正解です。

泣いている子供をなだめようと構えば構うほど、次からも泣けば要求が通るということがわかってくるので、子供は泣いて、暴れて自分の主張をすることでしょう。

ですが、泣いてもほおっておくと、一時的には暴れ回りますが、いずれ泣き止みます。いずれ泣いても自分の主張が通らないことを覚えるとあまり泣かなくなります。
それと同じように、感情は構えば構うほどいつまでも繰り返すことにるんですね。
なので、「失敗して恥ずかしい思いをしたなぁ」と思っても、「恥ずかしいと感じているんだなぁ」と客観的に遠い目で自分を観察し続けてみてください。

数分後にはその感情は消えているはずです。

無理矢理抑え込む必要もありあません。子供と同じように泣いているからと無理矢理押さえつけると余計、暴れます。

ただ、自分の感情を感じて、好きなように感じさせてみてください。そうするとそれは一時的なストレスになり、吃音の悪化を防ぎます。

 

最凶のストレスー無力感からくるストレス

もう一つのストレスはさらに危険なストレス。
「最悪の中の最悪のストレス」と呼ばれるもの。

それが、無力感からくるストレスです。

人は「どうする事も出来ない」と感じることが最も強いストレスであり、改善、向上、成長など全ての進化を奪う最悪のストレスです。

例えば、会社においても最悪の上司で、自分は逆らうともできない。嫌だからといって家族を守るために仕事を辞めることもできない。

「最悪の状況だけど自分はどうすることもできない」
という状況でしたらおそらく相当辛い毎日を過ごしていることでしょう。

吃音にとってもそれは同じで、「いつ、どもってしまうか、怖い。それに大して自分は何も出来ない」という考えを持ってしまっていると、毎日がストレスとなり、より吃音が悪くなっていきます。

無力感からくるストレスは自虐的な思考を生み出します。

「自分はなんて駄目なんだ」という考えを作り上げ、それに苦しみます。

無力感からくるストレスへの対策

ただ、忘れなで欲しいのは、ほとんどの吃音者にとって吃音に対して無力ではりません。訓練次第でコントロールが可能なものなんです。

ですので、この記事を読んでいる方はぜひ、吃音に対して向き合い、吃音をコントロールする一歩を踏み出して頂ければと思います。

自分の言葉の舵は、自分が握っているます。時には、舵が流されることもあるかもしれませんが、自分の力で修正するとが可能です。

繰り返しますが、吃音に対して私たちは決して無力ではありません。

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