吃音は再発する。バックラッシュ現象【重要】

吃音治療において大きな不安となるのが、吃音の再発についてです。

吃音は治ったら、再発しないのか？実際のところはどうなのでしょう。
吃音治療に臨む前に、このことついて知識がないと失敗してしまう可能性がありあます。

吃音は再発しないとう話しはウソ？

吃音治療をしていない人でも、昔吃音だったけど、
「しばらく調子がよく吃音が減ってきた」
「でも最近また元に戻ってしまった」

このよのような話しをよく聞きます。

また、吃音治療中において、だんだんと調子がよくなってきて、
将来が明るく見え始めたところ、吃音が再発。

それからまたどんどん調子が悪くなる。そいういった事例もいくつもあります。

あなたが吃音治療に取り組んだ時、吃音の再発に振り回されないようにまず、今から話すことを知っておかなければいけません。

バックラッシュ（揺り戻し）現象

まず、前提として、普通の人でも同じですが、どうしてもその日のコンディションによって、上手く話せる日、調子が悪い日などがあります。

それは当たり前のことなので、敏感に反応しないで起きましょう。
具体的には、睡眠不足などの状況では、誰しも普段より会話がスムーズに回らなくなります。

それとは別に、吃音にはバックラッシュ現象というものがあります。

 吃音改善が上手く行くと、元に戻る力が働く

ダイエットのリバウンドという現象は誰でも知っていると思いますが、それと同じようなことが吃音治療においても起こります。

吃音治療において、誰もが起こりうる可能性が高いのがバックラッシュと言われる現象です。

流暢に話せるようになるトレーニングの途中で、吃音が出ずに上手く話せるようになると、
潜在意識の部分が抵抗を始めます。

吃音の再発は、あなたを守るための本能

脳には、変化を起こそうとすると元に戻そうという力が必ず働きます。

本人の意思は、変わりたいと切実に願っていても、その変化が起こった時は、
元に戻ろうという防衛反応が無意識で起こっているのです。

これは動物が持つ本能の部分で制御できるものではありません。
危険を避けるため、変化を嫌う生まれもっての本質なのです。

人によってはその防衛反応が少ないため、バックラッシュが少ない人もいます。

逆に、人によっては防衛反応が強いためバックラッシュが大きく、吃音の再発につながってしまいます。

（参考文献：吃音研究の権威、マーティンシュワルツ博士が吃音のバックラッシュ現象について研究結果を発表しています。）

バックフラッシュによる吃音の再発に対抗するために

まず１つめに大事なことは、吃音治療において１ヶ月や２ヶ月の短期間で治すのは無理だと認識し、少しずつ行うことです。急な治療は、強い反動を生み出します。

ですので、少しずつ改善していくのが吃音治療の最善の方法です。
もう一つは、バックラッシュが来たとしても、それに過剰に反応しないことです。

この現象が必ずあるということを知らないと、せっかく吃音が治ってきても、

「また再発した」
「やっぱり吃音は治らないんだ」
「この治療法は駄目だった」

と、せっかく良い方向に向かっていても、諦めてしまうことになります。

中には、再発が原因でよりネガティブになり、以前より酷くなったという人も稀にいます。

バックラッシュが起きたとして、それに過剰に反応すると、また吃音が続いてしまいます。

ですので、もし、バックラッシュ、吃音の再発が起こっても、
それは、逆に治療のプロセスが上手くいっているのだということを知っておく必要があります。

それ以外の、吃音の再発

吃音を克服した方がまた、吃音になるのに悪いケースはうつ病からくる再発です。

吃音を治しても、うつ病になった、昔なっていたうつ病が再発した。

こういった場合は、吃音治療よりも先にうつ病治療に取り組む必要があります。
（参考：吃音症の人が病院を考えた時、知っておきたい３つのコト）

吃音は再発するのか？のまとめ

吃音が改善する過程において、良くってくるとバックラッシュ（揺り戻し）が起こる。
それに対して、過敏に反応すると、また悪い状態に戻ってしまう。

バックラッシュが起こるのは、流暢に話せるまでの成長過程で起こるので、むしろ、吃音改善の流れが上手くいっている証拠です。
また、中途半端に吃音改善を行っている場合は、バックラッシュが起こりやすく、元に戻りやすいです。
「吃音がずっと調子よかったんだけど、最近急に悪くなった・・・」

そんな場合は、ぜひこの機会にちゃんと吃音治療を受けて完全に克服していただければと思います。

再発した吃音を根本から変えるプロセス