緊張している時、「言葉が詰まる」「言葉が出てこない」という症状は典型的な吃音(どもり)の特徴です。
普段、家族や親しい友人と話している時はそれほど感じないが、緊張している時はどうして、言いたい言葉がすらすらと出てこないのか?
また、どもりを意識していない時は、すらすらと喋れるのに、どもることをを意識した途端、言葉がなかなか出てこなくなる…
その原因は何なのか?
それを原因を認識し改善させるトレーニングをしていかなれければ、言葉が詰まる状態をこの先ずっと繰り返すことになります。
この記事を読むことで、その原因が明確になり、言葉につまる状態をコントロールしていく手助けとなるはずです。
言葉に詰まる吃音のボーダーライン
下の図は吃音者を表した一つの例です。
波のグラフがストレスレベル、つまり不安、恐怖などによる緊張の度合いを表しています。
真ん中にあるラインはそれを越えると、言葉が出てこなかったり、言葉に詰まったり、「どもる」という現象が起きるどもりのボーダーラインになります。
つまり、この吃音者はストレスレベルの値が、どもりのボーダーラインを越えた時に喉が詰り、声が出なくなるということが起こります。
これが吃音者に見られる一般的なチャートです。
言葉に詰まらず、すらすらと喋れる人のチャート
次に、言葉が詰まらず上手く話せる人のチャートは下記のような形になります。
最初にご覧頂いた図と比べて、ストレスレベルのグラフ、そしてどもりが出るボーダーラインが高いです。
ただ、ここで1つ覚えておいて欲しいことは、言葉を詰まらせず、すらすらと流暢に話すことが出来る人でも、緊張したり、どもりのボーダーがない訳ではないということです。
緊張、ストレスを下げる
吃音を改善させるアプローチの1つは、ストレスレベルのグラフを下げることです。不安、恐怖から来る緊張状態の値を下げるということですね。
こういった心理的アプローチは吃音を減らす事には有効です。
ストレスレベルのグラフを下げることによって、どもりのボーダーを越える確率を減らすことが出来るでしょう。
感情のコントロール、認識、信念、意図の改善などを行いこのストレスレベルを下げることが必要です。
言葉が詰まる状態になってしまうあなたのボーダーラインを下げる
もう一つのアプローチは、どもりのボーダーラインを下げるということです。
吃音者によっては、このボーダーが非常に低い方もいます。
つまり、ちょっとした緊張状態でストレスがボーダーを越え、
言葉を詰まらせる、言葉が出ないという状態になってしまう人もいます。
ですので、このどもりのボーダーを下げるトレーニングを行い改善していかなければいけません。
このボーターが高い原因は、脳の使い方に主な原因があると言われています。
吃音の本当の原因は、心理的なものではない。脳の使い方、癖などに原因があるというのが現在の吃音治療の考えです。
「心理的なものは吃音を酷くはするが、生み出している原因ではない」ということですね。
(*参考:吃音症になる5つの原因 | 間違いだらけの吃音治療)
吃音そのものの原因と、それを酷くさせる原因があるということです。
ですので、このボーダーを下げるということが吃音治療にとって重要な要素となります。
この部分を改善させるには、今の話し方、話すときのパターンを変えていく必要があります。
言葉が出てこない時の脳の状態は・・・
吃音者の会話中の脳の発火状態をfMRIでスキャンしたところ、吃音の方に見られる傾向として、非吃音者に方に比べて脳の左半球の部分をあまり使用していないという傾向が見られます。
言語処理をするのは左半球部分で右半球部分は想像力を扱う領域と言われています。(厳密にいうと常に両方の部分を使用していますが、ざっくり分けると左脳、右脳といった分け方で説明しています。)
想像力の部分が活発になり、言語処理をする部分が活発になっていない状態だと、処理しきれず、言葉が出てこないという状態になりやすいと言えます。
これは会話における頭の使い方の癖のようなもので、修正していくことが可能です。
参考文献:「Stop Stuttering」 Dr Martin F Schwartz with Dr Grady L Carter
ストレスレベル、言葉がつまるボーダーラインの両方を改善させることがベスト
これまで2つの側面からのアプローチをお話してきましたが、吃音を治療するにはこの両方のアプローチを行うことが一番良い選択になります。
単純に、両方から改善させた方がどもる確率が減るというだけではなく、ストレスレベルの改善はどもりのボーダーラインに影響し、そのボーダーラインはストレスレベルの改善にも影響を及ぼします。
逆に言えば、片方だけ、例えば心理的ストレスを治そうをしても、どもりのボーダーラインが低いと、緊張状態になるとすぐにボーダーを越えてしまうため、吃音が出てしまいます。
すると、また不安が生まれ、ストレスレベルを下げることも難しくなって行くことでしょう。
ですので、吃音で悩んでいる方はこのチャートを思い出して2つの側面から吃音治療に臨んで欲しいと思います。
また、このチャートを意識することで、自分の吃音の状態を客観的に受け止めることが、自分で自分の言葉をコントロールするヒントとなるはずです。
(おすすめの記事:難発性吃音の「言葉がつっかえる」「名前が言えない現象」の克服)
緊張から来る吃音の改善するヒント
- 心理的ストレスレベルがどもりのボーダーラインを超えた時、言葉が出てこない、言葉が詰まるなど、吃音が起こる。
- 人によってこのグラフは様々だが、吃音治療には両方の面からの改善が望ましい。
- あなた自身で客観的に自分のグラフを書いてみよう。そうすることで一歩下がった目で自分を分析する事ができ、吃音改善のヒントが得られるだろう。
この2つの原因を変え、言葉がつまるのを治していくトレーニングとは?
この吃音(どもり)は、残念ながら発声練習などで簡単に改善していくものではありません。
長い期間をかけて、少しずつスラスラと話せるように複数のトレーニングしていかなければなりません。
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