吃音治療

吃音の不安を取り除く、7つのチェックリスト

吃音の不安のチェックリスト

「また言葉が出てこなかったらどうしよう」そういった不安が強ければ強いほど、吃音が出てしまう。

そのように実感している人が多いと思います。

なのでネガティブになるのは良くない、そうわかっていてもも、不安が膨らんでしまい、ストレスから逃げられない。

こういった「わかっているのにどうにも出来ない」という理不尽な気持ちを吃音に対して感じている人も多いのではないのでしょうか?

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不安に対する強力なアプローチ

不安の原因は「失敗した時のを思い出す」ということが多いので、「その時の記憶が無くなればいいのに」とい思っている人もいるでしょう。

ですが嫌な記憶を消すことは、現実的に不可能です。

不可能なことに悩んでもどうにもならないので、余計ストレスが溜まります。

そう言うと「催眠療法や、心理学的にトラウマを治して行く治療法はどうなんですか?」

という意見もあるかもしれませんが、それらの方法は現代のアメリカなどに置いては吃音治療で使われなくなったのはもちろん、一般の心理的治療でも、もうほとんど使われていません。

では、どういったアプローチをすればよいのか?

その手法はいくつかありますが、アウター(外因性と)インナー(内因性)の2つの側面からのアプローチをご紹介します。

「私は内因性の吃音なんで、とりあえず心の問題を改善したいです」

と、相談してくる人もたまにいますが、私がいつも言っていることですが、吃音を改善させるには、両側面からのアプローチが必ず必要です。

これら、アウター、インナーと分けるのは、あくまでアプローチをわかりやすくするために分けているものです。

ダイエットで例えるなら、運動と食事制限を分けて考えているようなものです。
いくら運動しても、それ以上にカロリー摂取をしていては体重は下がりません。
(ダイエットでも好みにより、どちらかに偏るので成功しない人が多いのですが・・・)

ぜひ、あなたも2つのアプローチを使い、吃音の不安を減らし、言葉が出やすい状態へと変化して欲しいと思います。

不安と吃音の切れない関係

どもりと不安の関係性
まずは、不安と吃音の関係を脳のシステムから簡単に説明します。

ここを理解することで、あなたの認識を変えて行くプロセスを理解することに繫がります。

吃音が出る原因は、ざっくり分けるとアウター(外因性)とインナー(内因性)の2つに分類されます。

アウターとは、体の使い方、実際の話し方など実際に計測出来る部分です。インナーとは精神的な部分、つまり心の問題です

アウター:表の問題(外因)

まずは、アウターというカテゴライズされた側面から吃音を見てみましょう。

客観的に観ると、不安やプレッシャーを感じている状況では、普段とは違う体の使い方、話し方を行っています。

これは無意識で変化しているので、意識して自分を観察してみたり、または実際に録画などをしてみたりして、初めてその違いに気づくことが多いです。

不安が強い時の話し方を聞いてみると、基本的に普段よりもかなり早口になっています。

また、話し方だけではなく動作全体が早くなります。

不安に支配されている時は、普段のあなたとは思えないほど、話し方、ボディーランゲージが別人に変わっているのです。

なぜ、動作全体が早くなるのか?というと、脳が「プレッシャーからは早く逃れたい」という反応が無意識が働き、勝手にあなたの体に影響を与えているのです。

ですので、不安が強い時はの会話の仕方、体の使い方を普段のと時と同じように意識的に修正していくこと意識していきましょう。

その1歩は、まずは「不安に支配されてる時の話し方と行動」そして「普段の時の話し方と行動」の差異を自分で認識することから始まります。

 インナー:裏の問題(内因)

それで次は、インナーというカテゴライズされた領域で吃音を見てみましょう。

今日の話しはここから話すインナーの側面からのアプローチの話しがメインとなってきます。

やはり心の部分は目に見えない場所なので、人それぞれ捉え方によって、違いが出てきてしまいます。

ですので、理解して欲しいのでどうしても、説明がくどくなってしまいますが、ぜひ、あなた心に変化を起こすために、最後まで付き合って頂ければと思います。
(この2つの側面がいかに吃音を関係しているか詳しくは下記の記事が参考になります)

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吃音とプラセボ効果

心理的に見てもこれは厄介な問題が控えています。その代表的なものがプラセボ効果です。

失敗すると思えば思うほど、そうなってしまうという現象です。

プラセボ効果を簡単に説明すると、「医者が小麦粉をクスリだと偽って処方しても、多くの人に効果が出る」といった話しは有名だと思います。

この脳のシステムは良いことも多いですが、吃音者の場合はマイナスとして働いていることが多々あります。

吃音者に対しての有名な実験で、吃音者に朗読をさせて詰まった箇所は、何回朗読させても同じ箇所で詰まる確率が高かったという事例があります。

これも、「また同じところで詰まるのでは」というプラセボ効果が強いのではという仮説があります。

プラセボ効果は人によって「出やすい人と、で出にくい人」がいます。

この違いは、予測に関わる脳神経系の働きが強い人ほど、プラセボ効果が強く出ると言われているのです。

そして、吃音者はHSPというパーソナリティから、「プラセボ効果が強く現れる傾向にある」と言っても過言ではありません。(HSPを知らない人は下記の記事を参照ください)

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プラセボ効果の影響力を無効化していくにはどうしたらいいのか?その鍵を握っているのが「認識」という脳のシステムです。

あなたは大勢の前で言葉が出なくなり、恥ずかしい経験をしたかもしれません。

一度、そういた苦い経験があると同じことを行う前には不安が出てしまいます。
そして、ここからが大事なとこですが、その経験の認識は、真実とは必ずズレがあります

失敗した時の事実と、その時の記憶では絶対に違いが生じています。

人間は、経験したことを事実のまま捉えることは不可能な脳の構造になっているのです。

全てが自分自身の認識、つまりあなた独自で作られたフィルターを通して物事を見ています。

ネガティブな人は、真実の肯定的な部分はフィルターにひっかかり、通過できず、マイナスの部分ばかり通過してしまいます。

また、通過する過程で、歪曲され変形して記憶に格納されます

ですので、「あなたのフィルターゆがみ」が吃音の不安を増強させている一番の原因なのです。

そのゆがみを客観的に分析し、出来るだけ真実に近いフィルターへと意識的変えていくことが、不安を減らし吃音全体を減らすことに繫がっていきます。

吃音者が持つ5つの認識の歪み

心理的フィルター
それでは、「認識のゆがみ」をどのようにして判断していけばいいのか?

認知行動療法では多くのゆがみの分類があります。

今回はわかりやすくするために、吃音者にとって特に影響のある5つの歪みをご紹介します。

1・他人の心を読む

「吃音が出てたら、私のことを馬鹿にするはずだ」
十分な根拠もないのに、相手がどのように考えるか、その推測は過度にネガティブになっていないでしょうか?

例えば、実際に私が体験した話しです。昔、同じ会社で働いていた女の子がいました。

その子はカラオケが大嫌いだとでした。なぜなら音痴なことを周りに馬鹿にされた経験があり、人前で歌うことを心底嫌がっていたのです。

ある日、会社の飲み会のことです。その時の流れで、その女の子にマイクが周り、どうしても歌わないといけない雰囲気になってしまったのです。

そして彼女は勇気を出してなんとか歌い出しました。耳を真っ赤にし、声を震わしながらなんとか一曲歌い終えました。

周りの男性達は、笑顔で彼女を見ていました。

彼女は、きっと「ああ、恥ずかしい、みんなニヤニヤして私のことを見ている。絶対、音痴だと思って馬鹿にしている」と考えたはずです。

でも、後で、周りの男性達が彼女について話していたのですが、「確かに音痴だったけど、なんかすっげー可愛いかったな」「そうそう、音痴で恥ずかしそうに歌う女の子ってキュンとくるよね」といった話しをしていたのです。

きっと、彼女は自分のゆがんだフィルターを通して見ているので、周りの人の自分に向ける目が好意的だったことに全く気がついていないことでしょう。

例え、真実を伝えても「気をつかって言ってくれている」としか捉えてもられないかもしれません。

これと同様に、他人の心を歪んで推測してしまう吃音者が非常に多いのです。

あなたも他人の心を自分の歪んだ認識で捉えていないか、考えてみてください。

2・ゼロか100か、極端な考え

「ある人に吃音を指摘され、馬鹿にされたーー。みんな私のことを馬鹿にした目で見ている」というように1つの出来事をまるで全てのことのように捉えてしまう人がいます。

また、傷つくような言葉を浴びせられたからといって、未来永劫その人はあなたのことを見下しているとは限りません。

確かに、吃音を馬鹿にする人もいるでしょう。

でもそれは一部の人間です。大半の人は大して気にしないですし、例え気になっても1分後には他人のことなど感心がなくなっています。

そして対人関係だけではなく、この極端な思考の歪みは、吃音治療の過程でも足を引っ張るケースが多いです。

もし、吃音が改善しているのにも関わらず、大事な場面で1回失敗したとします。

極論で捉えてしまう人は、「今までのすべてが無駄だった」など、歪んだ認識をしてしまう恐れがあります。

失敗を過度な歪みを持って捉えてしまう人は吃音を克服するのが難しくなります。

なぜなら、吃音治療を行っても克服するまでの過程は、上手くいったり、失敗したり上下しながら改善していきます。

ですので、吃音が治っていっている過程でも失敗は必ず何度も起こるのです。失敗した時は極端な思考をしていることに自分で気がつくように意識しなければなりません。

上手く行ったり、行かなかったりアップダウンしながら、吃音は改善してきます。

3・極端な一般化

吃音だから接客業に向いていない。吃音だから恋人が出来ない。など「吃音だから自分の望みが叶えられない」と過度に一般化してしまう人がいます。

吃音とは直接関係がなくても、あらゆることに吃音を結びつけ自分の可能性を制限してしまうことがあります。

私もたくさんの吃音の方々とやり取りをさせて頂いておりますが、本当に軽度の人でも極端に考え、やりたい仕事を諦めたり、人と関わるのを避けていたりする人も少なくありません。

逆に、重度の吃音の方でも、自分の夢を叶えるべく、吃音に悩みながらもやりたい仕事についている方もいます。

前者の認識だと、例え軽度でも全て吃音のせいにしてしまうので、そういった考えでは吃音改善の妨げとなります。

上手くいかないことは全て吃音と繫がっているという認識ではなく、切り離して正しく認識することが大切です。

4・必要以上に自分を責める

単純な会話でも吃ってしまうと、「なんで俺は小学生でも出来ることが出来ないんだ」と自分自信を必要以上に責め、情けなく感じたり、怒りを覚えたりしてしまうこともあります。

「言葉が上手く出てこない」という一つの短所のせいで、能力全体が劣っていると自分を過小評価してしまうことがあります。

吃音とは一つの特徴、パーソナリティの中の1つの部分です。

もちろん、それを受け入れ諦めるのではなく、改善していく向上心は大切です。ですが、それは能力全体の中のほんの1つのピースにしか過ぎません。

吃音だからといって人間としての能力そのものや、人生そのものを否定するというのは完全に間違った認識です。

このような認識の歪みは自分で不安を増やしている大きな原因となります。

5・レッテルを貼る

例えば、「自分は人前で話すことが苦手だ」
否定的なレッテルを貼ってしまうと、どんな場面でも苦手意識を持ってしまうことになります。

その人は単に特定の状況、例えば「会社の朝礼で挨拶するのが苦手」だったとしても、人前と話すこと自体を苦手と認識してしまう場合があります。

そうなると、今後多くの場面でより吃音が出やすくなるでしょう。

自分で苦手な状況を広げているとう悪循環になってしまいます。

また、上記で話した、音痴な女の子を例に取ると、彼女は「音痴=恥」というレッテルを貼ってしまいました。ですので、自分の歌っている姿が、男性から見てチャームポイントだということは気がつきません。

このように知らず知らず、色んな場面で間違ったレッテルを貼ってしまっていることが多いです。

そのため、いらないマイナスな感情を持ち続けている事実に意識を向け修正していきましょう。

認識を変えるチェックリストのまとめ

アウターの部分は、ざっくり分けると「話し方」や「体の使い方」の2つになります。

これらの差異を認識し、変えて行くということを繰り返し変えて行くという量稽古になります。

インナーの部分は出来るだけ自分を今回話した5つのチェックリストを参考に、「客観的な目線で常に観る癖をつける」という意識づけが必要になってきます。

もう一度、繰り返しておきます。

アウター(外因性)2つのチェックリスト
  • 話し方の差異
  • 体の使い方の差異
インナー(内因性)5つのチェックリスト
  • 他人の心を間違って読んでいないか?
  • 0か100か極端な思考をしていないか?
  • 極端に一般化していないか?
  • 自分を必要以上に責め過小評価していないか?
  • レッテルを貼り、苦手な状況を自分で増やしていなか?

これらをリラックスし、考えてみましょう。

ただ、客観的な目線というのも「どれが客観的だかわからない」という場合もあるでしょう。

そういった場合は、「自分に都合のよい認識のフィルターで物事を観てみる」ということをしてみましょう。

「もし、前向きな人だったらどんな認識で観るか?」それを考え、そのフィルターに付け替えてみましょう。

上記で話したように「予測に関わる脳神経系」が活発な人ほど、ポジティブになったりネガティブになったりします。

ですので、ネガティブな思考を持っている人は、その神経が活発です。

ただ、それが活発ということは素晴らしい長所でもあります。

良いフィルターにさえ変えることが出来ればとてもポジティブな人にもなりやすいのです。

ですので、これらを踏まえ、自分を変えることを決断し、実践していけば、
「憂鬱だった毎日が、楽しい毎日に変わる」コインの裏と面のように、フィルターさえ変われば、生き方も変わることが多いのも、「予測に関わる脳神経系」が活発な人の特徴です。

不安やストレスに負けそうに感じている方は、そんな繊細な感受性を持っているからこそ、プラスになった時、力を発揮するという事実をしっかり認識してください。

それでは、吃音を改善させるために、あなた自信の認識というフィルターを変え、行動を起こしていきましょう。

参考記事:吃音を発生させる心理的なゆがみを変えたい方は以下の記事が参考になります。

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吃音のせいで周りからクスクス笑われ、馬鹿にされるはもう十分です。
言葉が上手く話せず、無能だと勘違いされる日々は終わりです。

とはいえ、吃音克服はほとんどの人にとって可能ですが、道のりは単純ではありません。

吃音改善は全体像やそのプロセスを知らずして取り組むことは、地図とコンパスを持たず登山するに等しい無謀な行為です。

下記の動画は、吃音克服への全体像とそのロードマップになります。

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