接客業を行う吃音者

仕事で言葉が出なくて、本当に悩んでいるというご相談をよく頂きます。

特に、接客業に就いている方からのご相談が多いですね。

私が昔、吃音だったころは、接客を行う職業だけは避けていましたが、そうではなく

  • 「自分のやりたい仕事を選ぶ人」
  • 「吃音を克服するためにあえて、接客業や営業職を選んでいる人」

こういった方が本当に多いことに驚かされます。

また、そういった人を私は本当に尊敬しています。昔の自分には勇気がなくて出来なかったことですから。

ですので、そういった方には特に、力になれればと思っています。

前置きが長くなりましたが、今日のトピックは接客業を行っている人で、吃音が出て困っている方へのお話になります。

 

吃音者が接客をする上で、前提としなければいけない考え方

まず、吃音改善の前に覚えておいて欲しいことがあります。

それは、「自分が思っているよりもお客さんは、あなたの吃音のことを本当に気にしていない」
という事実です。

相談頂く吃音者の中には、心ないお客様に「はっきりしゃべれ!」など酷い事を言われたという人も確かにいらっしゃいます。

ですが、そういった言動を発するのは、本当に1部の非常識な人だけです。
100人中、99人は正直、あなたの吃音に関心がありません。

 

接客は流暢に話す人間より、上手く話せない人のほうが好感が高いという事実

この前、「ホンマでっかTV」という番組で、竹田先生がおっしゃっていたことなのですが、
弁護士は訥弁(しゃべりがぎこちない人)でなければいけないという話しがありました。

「日本人は流暢な会話をする人よりも、会話が下手な人のほうが好感が高い」というデータがありあます。

この話しを聞いて、ある飛び込み営業のトップセールスマンの話しを思い出しました。

トップセールスマンの彼は、普段話している時はものすごく話し上手なのですが、接客中はわざと、口下手を演じると言っていました。

 

口下手を演じて信頼を得る営業マン

特に飛び込み営業は、最初の第一声が肝心で、普通に営業ぽく行くと、お客さんは瞬間的に拒否反応を起こす。
なので、特に、最初の第一声は、「わざと滑舌が悪くして、カミカミで話すように気をつける」と言った話しをしていました。

すると、相手はよく聞き取れないので「え?何だって?」と100%聞き返してきます。
もう、その時点で営業マンの術中に入っています。

本来は反射的に拒否するものを、聞き返している時点で、すでに聞く体制に入ってしまっているのですから。

そして、ぎこちなく話すこによって「この人はウソをつかないだろう」と思われたり、
「真面目そうな人」に見えたりするので、信用され物が売れるのです。

これは吃音者の思考とは真逆だなぁと感じたところです。

「吃音者」は特に、第一声を上手く話そうとします。途中で会話が出てこないこととを恐れます。

「トップセールスマン」特には、第一声をわざと下手クソに話します。会話の途中でもわざと言葉を詰まらせるテクニックを使います。

吃音者が自分の会話をそこまで心配する必要は本当にあるのか?と思うような例ですね。

 

 

接客をするのにメンタルは強くなくていい

また、接客の達人、トップセールスマンはメンタルの持ち方が違います。
ここで注意して欲しいのは「メンタルの強さ」のではなく、あくまで「メンタルの持ち方」が違うということです。

多くの吃音者は、会話に失敗すると自分を責めます「なんで言葉がでないんだ」「本当に自分は大事な時に上手く話せない」
などという自分の中心の視点で考えてしまいます。

「お客さんに怒鳴られでもしたら、自分はこの接客業をやっていてはいけないんじゃないか」と深刻に悩みます。
自分自信の集中しすぎているのですね。

それとは逆にトップセールスマンは、意識的に「セールスパーソン」という役を演じています。
つまり、会話で失敗してもそれは自分が否定されたわけではなく、「自分が演じてるセールスパーソン」という役が否定されただけと考えます。

例え、嫌われてもそれは自分ではありません。
あくまで演じている人柄を嫌われただけと考えます。

 

吃音者は自分とキャラクターを分けて考えるとことを意識する

吃音者でメンタルに問題がある人は、そこを切り離した客観的な視点が出来ないのです。

ハリウッド俳優で吃音を乗り越えた人が多いのは有名ですが、彼らは、他の人を演じている時は吃音が出にくい」という視点に気づき、それが克服の1歩となっています。
今回のお話もそれと共通する部分があるでしょう。

例え、普段の会話でも吃音のことを指摘されたからといって、その人はあなたの人間性を否定しているわけではありません。
そのことだけは忘れないでください。

 

でも、やっぱり吃音は治すにこした事はないという人へ・・・

とは言うものの、「苦手な特定の単語は必ずどもる」などある人は吃音改善が必要ですよね。

良いお話をすると、接客業を行いながら吃音改善に取り組んでいる人、つまり「人と接する仕事に就いている吃音者」の方が、圧倒的にスムーズに改善していきます

正しい吃音治療を学んでも実践する場が少ない人はやはり、長く期間がかかってしまいます。

接客業や営業などで人と話す機会が多い人は、吃音治療を学んでいく中で、それを自分の会話の中でどう生かしていけばいいのか?というコツを掴んでいきます。自分自身の会話をコントロールするスキルが身に付くんですね。

そのコントロールが出来るスキル、コツが身に付くと吃音の恐怖に怯えることなく会話が出来るようになってきますので、精神的にも非常に安定します。

そういう状態を繰り返すことによって吃音はどんどん消えてくでしょう。

 

ですので、接客業などについている人は現在は吃音が原因でストレスも多いと思いますが、「吃音を克服する」と決意しなならば、接客は練習の場が与えられてるようなものですので、自分を高めるチャンスだと認識して欲しいと思います。

吃音だけではなく、筋トレ、勉強などすべてのことにおいてそうですが、ストレスがない所に変化はありません。大事なことはストレスに立ち向かうか、避けるかその捉え方です。

上記で言った3つのポイントなどを頭に入れ、その上で真剣に吃音改善に臨めば、接客業で頑張っている吃音者のほとんどの方が満足出来るほど上手く話せるよういになるでしょう。

統合的な吃音改善に取り組み、接客の場で実践しよう

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吃音克服の道のりは単純ではありません。
正しい方向性と、新しい地図を手に入れ、
目的地までの道のりを把握することが大切です。

吃音改善のプロセスの全体像を知らずして、
取り組むことは、地図と方位磁石を持たず登山に入るようなものです。

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