吃音の原因

どもりを治すことに繋がる【脳の作業領域】7つの改善法

脳のメモリ

「ワーキングメモリ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

脳科学ではよく使われる言葉ですが、この「ワーキングメモリ」は吃音に大きくする関係する重要なキーワードになります。

ですので、今日の記事をじっくり読んで頂ければと思います。

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吃音(どもり)と深い関係があるワーキングメモリとは?

ワーキングメモリ(作業領域)とは、「一時的な情報処理能力」のことです。

例えば会話で言うなら、相手の言ったことを一時的に記憶し、自分の経験などから昔の記憶を引っ張り出して、会話を合わせる… そういったことに使っています。

その他にも、50×13=?などの暗算をする時にもこのワーキングメモリは使用します。

注)ネットでワーキングメモリと調べると間違った認識で伝えている方が多いです。
例えば、人は「7ケタの文字しか瞬間的には覚えられない、そういった短期的な記憶がワーキングメモリだ」と書いてあるサイトが多かったのでそれは訂正させて頂きたいと思います。

それは「短期記憶」という脳のシステムであって、ワーキングメモリとは別のものです。
あくまでワーキングメモリとは、自分の「短期記憶」や海馬の奥底にある「長期記憶」を引き出したりして、頭の中で「作業すること」というのが本当の意味になります。

ワーキングメモリが不足すると滑らかに言葉が出なくなる

パソコンに詳しい方なら想像はつくと思いますが、パソコンのメモリが少ないマシンでいろんなソフトを立ち上げるとどうなるでしょう?

パソコンの動きが重くなり、カクカクしてきます。

積んであるメモリの容量以上の負荷がかかると滑らかに動きません。

吃音もまったく同じことが言えます。

ワーキングメモリという領域が人それぞれ、大なり小なりあって、自分のワーキングメモリ以上の負荷が脳にかかると、滑らかに動かないのです。その結果、言葉に詰まったり、つっかえながら話すことになっていまっている吃音者が多いのです。

さらに、どもりを酷くさせる可能性が高くなる

さらに、表面的な言葉の問題だけではありません。
ワーキングメモリをガリガリ消費してくると、
単純な計算、会話だけでなく、判断力にまで影響します。

つまり、ワーキングメモリに負荷がかかっている状態だと、

本来なら失敗をした時、それを学びにして自分の成長に役立てるのが、正しい判断なのです。

ですが、ワーキングメモリが足らないと「ああ、俺はなんでこんな簡単な挨拶もできないんだ」とネガティブな認識で捕えてしまいます。

つまりワーキングメモリがスムーズに動いている時は、
ポジティブなフィルターをかけ、負荷がかかっている時はネガティブなフィルターをかけがちになってしまっているのです。

そして悪循環は続きます。

一度ネガティブなフィルターが形成されたら、そのネガティブなフィルターを通して作られた自分のストーリーを繰り返し思い出します。

「失敗した、恥ずかしい思いをした。みんな俺を馬鹿にしている。」
そんな、ネガティブなストーリーを繰り返せば繰りかえすほど、ワーキングメモリに負荷がかり続け、普通の会話すら支障がきたすまでになるかもしれません。

あまたの中でネガティブな体験の想像を繰り返すことを「反すう」というのですが、
吃音が治りにくい人ほどこの「反すう」が酷い傾向にあります。

その悪循環を減らしていくためにも、今後、ワーキングメモリというものが、自分の中にあって、どれだけ付加をかけずに付き合っていくか?ということが大事なポイントになります。

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ワーキングメモリを消費する7つのこと

ここではワーキングメモリを消費する7つの代表的なことをお話しします。
脳が上手く機能する状態を保つために、出来るだけワーキングメモリをガリガリ消費させることは避けることが、吃音者にとっても大切なことになってきます。

1・イメージを膨らませるという行為。

パソコンでも、動画のファイルはとても重いですよね。それと同じようにイメージを膨らませるということは、ワーキングメモリに高い負荷がかかります。

吃音者の方が、会話に臨む前に良い状態をイメージし、自信をつけることは良いことですが、「実際の会話の場面では良いイメージを作りながら話す」ということはワーキングメモリに負荷がかかり、余計にどもってしまうなど、悪い影響が出やすいといえます。

これを間違えている人が多いので注意してください。

2・一度に多くのことにチャレンジする。

吃音を治すには、会話の仕方、思考、体の使い方などいろいろな悪い癖を変えていかなければいけません。

ですが、すべてのことをいっぺんにやろうとすると、パソコンでたくさんのファイルを一度にダウンロードしようとしているようなものです。

パソコンが固まるのと同様にあなたの会話も固まってしまうでしょう。

吃音を改善させる時は、まず、「1つのこと変える」または、「自分の中の1%だけを変えていく」そういった考え方の積み重ねが大切です。

大事なことなので繰り返しますが、一生懸命吃音を改善させようと頑張っている人ほど、
一気に、いろいろ変えたがります。それはワーキングメモリに負荷をかけるので、逆に難しくなるのです。ですので、吃音改善は自分が負担にならない範囲で行うこおとが一番の近道になってきます。

3・先延ばしにする癖

重要なことを先延ばしにする行為はワーキングメモリを常に消費している状態です。

例えば、「借金をしていてずっとそのことが頭から離れない」「夫婦関係で溝が出来ているが目をそらして過ごしている」など、重要なことを後回しにしていると、常にワーキングメモリが消費されます。

よって、普段の会話、仕事で使うメモリが足りなくなってしまうのです。

「解決出来ない」と思うような問題でも、実際にそれに直視し、行動する方がワーキングメモリの消費が減ると言われています。また、どうしようもないことはやるだけのことをやった後は諦めもつきます。

「やらなきゃいけないことを、今すぐやらない」という行動が無駄なワーキングメモリを常に消費している状態なので、一刻も早くその問題に向き合い、折り合いをつけることが、重要です。

吃音治療に関しても、「吃音を将来的になんとかしないと」と思っている時は、一番辛く、吃音に治療に対して真剣に向き合った時、まだ治ってない状態であっても、気持ちは落ち着いてくるという方が多いです。

「大事なことから目をそらし避けている」という状態が最も悪い選択だと言えます。

4・情報の取りすぎ

パソコン、特にスマートフォンが普及してからかなりの1日にかなりの情報量があなたの頭の中に飛び込んできます。

情報が増えれば増えるほど、ワーキングメモリに負荷がかかりますし、選択支が多い中でどれかを選ぶという行為はワーキングメモリを特に消費します。

5・痛みやストレス

痛み(肉体的にも心理的にも)がある時は、ワーキングメモリの消費が激しい状態です。また、ワーキングメモリの容量自体もストレスの下では少なくなってしまいます。

ですので、「ストレスが強い時に、言葉が上手く話せない」というのは、脳が収縮しワーキングメモリの容量が少なくなっているので当然の反応なのです。

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6・恋愛における会話(男性)

これは男性に限る話ですが、慣れていない女性との会話はワーキングメモリを大きく消費します。

これは、「会話は男性がリードしなければ」というプレシャーが男性にはあるのが原因だと言われています。女性の場合、異性との会話において男性ほどワーキングメモリは消費しません。

ですので男性の場合は出来るだけ自然体でいることを意識しなければいけません。

7・悪い習慣

自分にとってこれは「悪い習慣だな」と思うことを行っているとワーキングメモリを消費します。

例えば、寝る前にお菓子を食べるという悪い習慣があり、「でも食べないとストレスがたまって余計、体に悪いから」などと言い訳をしてしまう。そんなことが誰しもあると思います。

ですが、そういった自己嫌悪のストレスはワーキングメモリを大きく消費します。

「短期的な欲望を我慢すること」これはその瞬間を見れば、我慢している時はワーキングメモリを使っているので、確かに消費します。ですが、それは一時的なものです。その後は、それを乗り越えたという「自己信頼」に繋がり良い結果をもたらします。

脳の働きを鈍くする原因、ワーキングメモリのまとめ

これら7つのことを抱えているという状態は、パソコンで例えるなら、たくさんのコンピュータウイルスに侵されている状態と言えます。

そんな状態では、パソコンがサクサク動かないのが当然のように、ワーキングメモリの大半が侵されていては、滑らかに会話が出てこないのは当たり前なのです。

ワーキングメモリというものは、鍛えれば増えると言われていますが、それは地道なトレーニングになります。

なので、まずは吃音を改善させるには、その消費を減らすことのほうが早いです。

自分の中で、7つの項目に照らし合わせ、
「これ、俺のワーキングメモリが削られているな」と思うことをまずは最低5つ書き出してください。

そして、5つ出した中で、1つだけ、一番、変えやすい項目に○をつけます。まずは、その1つを改善させていくことに集中しましょう。

2つ以上行うとワーキングメモリが不足し、結局何も変えることが出来なくなります。

ぜひ、「自分の頭にはワーキングメモリというものがあり、それは容量が決まっている」ということを認識し、無駄な消費を抑える行動をとりましょう。それが吃音改善に繋がります。

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吃音のせいで周りからクスクス笑われ、馬鹿にされるはもう十分です。
言葉が上手く話せず、無能だと勘違いされる日々は終わりです。

とはいえ、吃音克服はほとんどの人にとって可能ですが、道のりは単純ではありません。

吃音改善は全体像やそのプロセスを知らずして取り組むことは、地図とコンパスを持たず登山するに等しい無謀な行為です。

下記の動画は、吃音克服への全体像とそのロードマップになります。

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