吃音症に悩んでいる人が就職活動を行う上で理解して欲しい事があります。
私は今まで延べ20名を超える就職活動中の吃音症の方と、メールなどでやり取りをしたことがあります。
それを通して感じていることは吃音者は「とてもポジティブ」な方と「とてもネガティブ」方に2極化されている傾向があります。
この記事の目次
就職活動をする吃音者の2つのパターン
ポジティブな吃音者は吃音を少しでも良くなるよう
あえてセールスなどの職業につこうとする人が多いです。
ネガティブな吃音者は、出来るだけ人と話さなくてもすむ仕事を選ぼうとする傾向があります。
これは、その方たちと接してわかったことですが、
初めは、吃音が軽度の人はポジティブに考え、セールスなどの職業を選び、
ネガティブな人は工場など人と話さなくても良い職業を選ぶ傾向があるのかと思っていました。
ですが、それは大きな間違いでした。
就職先を選ぶにおいて、吃音の度合いはあまり関係ない。
私自信は、吃音を克服する以前は、
そういったポジティブな吃音者を知っていましたが、
それは「軽度の吃音だからそう考えられるのだろう」と思っていました。
ですが、実際はそうではなく、重度の吃音の方でも、
就職するならセールスなどの職業を選択する方が多いのです。
逆に軽度の方でもネガティブな人は、絶対にそういった仕事を選びません。
軽度の吃音なのに「突然、営業に移動になった。不安で耐えられない」という理由で退職する人もいました。
結局、吃音者にとって就職活動などで仕事を選ぶのは吃音はあまり関係がなく、
「自信があるか、ないのか?」ということが選択をする基準になっていることを感じています。
1日の活動はほとんど仕事。だから真剣に選ぶ。
就職活動はこれから先、その人の大事な人生の時間を使う場所になります。
決して吃音だからという理由で、つきたくもない仕事を選ぶというのはもったいないことです。
私自身、吃音だったころはネガティブな吃音者でやりたくもない仕事についていました。今はその時の選択を後悔しています。
最も働き盛りだった20代をやりたくもない仕事で、毎日特別やりがいもなく過ごしてきました。
ただ、給料をもらうためだけに働いていました。
現在就職活動をしている方には、そういった後悔はして欲しくないと願っています。
就職活動をしている吃音者の方への言葉
下記の文はアメリカ吃音財団が就職活動をしている吃音者を理解してもらうために企業などに配っている文面の一部です。
これらのことは、吃音者自身にも理解して欲しいことです。
決して自分を過小評価しないで欲しいのです。
- 300万人以上のアメリカ人が吃音です。
- 吃音の人が吃音ない人のように知的で、よく調整されている。
- 吃音は、感情的な葛藤や恐怖の結果ではありません。
- 吃音者は、「緊張し不安」「怖い」または「恥ずかしがり屋」ということを前提としないでください。吃音は、非吃音との性格特性の範囲に変わりありません。
- 多くの場合、吃音者たちは優れたコミュニケーション能力を持っている。
- 吃音は、人によって大きく異なり、時間と場所によって変化する。非吃音者と同じように会話の調子が「良い日」と「悪い日」がある。
- 吃音者にとって就職の面接は、彼らが遭遇する最も困難である状況であり、日常の仕事における姿とは異なります。
- 能力によって吃音の人々は、組織内の昇進のためのリーダーシップの機会とを提供する必要があります。
実際、仕事において吃音者は非吃音者と変わりなく、働けます。
アメリカ吃音財団が非吃音者に理解を広めているのと同じく、
あなた自信も自分に自信を持って欲しいと思います。
就職活動において仕事の選択を決めるのは、能力と意欲です。
自分の可能性を自分で狭めないよう、思いっきり就職活動してください。
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