無意識に書き込む方法

今日の話は自律訓練法から、無意識にアプローチする方法についてです。

前回の話で、無意識の脳を書き込むためには
意識をかいくぐらなけれならないという話をしました。

つまり意識的な脳の活動(前頭前野)が低下している時ほど、
無意識の脳を書き換えやすいということですね。

そして、前頭前野が活性化していない、
書き込むためにベストなタイミングというのは、いくつか研究結果で判明しています。

その中で最も利用しやすいのが、
自律訓練法ということでした。

毎回ランニングでランナーズハイを起こしてから無意識にアプローチするなんて大変ですから。

その点、自律訓練法は寝っ転がってするだけ。

途中で眠ってしまったら、変化させたい内容を
無意識に投げ込むことが出来ないので
寝てしまう人はソファでゆったり座ってやりましょう。

自律訓練法はカリキュラムでも推奨していたので
行なっていた人も多いと思います。

実際、何度もやっている人は実感していると思います。

最初は自律訓練法でリラックスすのが苦手でもやればやるほど、
早く、深くリラックスできるようになってきます。

脳にリラックスする回路ができるからですね。

吃音改善とは関係ないですが、すごく寝つきがよくなります。

私の話ですが、自律訓練法に慣れる前までは、
睡眠リズム障害で睡眠導入剤を10年以上常用していました。

自律訓練法+無意識に書き込む方法も利用して、
で徐々に導入剤を減らし、ついに薬なしでも普通に眠れるようになりました。

そういった意味でも本当に素晴らしい方法だと感激しています。

無意識へのアプローチの仕方

「それでは、どうやって書き込むのか?」
というと、「suggestion」です。

日本語にすると「暗示」なのですが、
「暗示」という言葉のイメージが個人的にはよくないので、英語のサジェスションという言葉を当てはめてますが、

ここでは暗示といった方がわかりやすいので、
暗示という言葉で統一します。

基本的に暗示というのは、
暗示をかける人とかけられる人がいるのですが、

他人に暗示をかけるのは難しいです。
かなりのスキルを持っていないと出来ないでしょう。

もちろん、私も出来ません。

何がそんなに難しいか?というと、

暗示の内容うんぬんよりも、完全に信頼のおける相手でないと、必ず意識が働き深いリラックス状態にはならないからです。

つまり、前頭前野が働き暗示は無意識に届きません。
ガードが下がらないということです。

ただ、深いリラックス状態で暗示をかけるヒプノセラピーなどは、
吃音者にとって有効なのは確かです。

有名なところで言えば、
ハリウッドスターのブルース・ウィリスはヒプノセラピーで吃音が治ったと公言しています。

ただ、いくらヒプノセラピー自体が有効だからといって、
吃音のことを理解し、腕のあるセラピストは日本にはいというのが現状です。

海外でもヒプノセラピーを行なっているところはあっても、
吃音とパニック症の区別もついていないみたいなとこが多いです。

「吃音を治すのに、催眠療法で何も効果がなかった」

という人もいるかもしれませんが、
そもそもその人はヒプノのスキルはあるけど、
吃音に対しての知識がなく理解していないので、結果を出すのは不可能です。

また、「暗示」も繰り返し繰り返しやらなければ、
無意識の脳の回路にならないので、1回や2回通ったところで効果はありません。

ですが、毎日通うのも非現実的です。
ブルースウイルスのようにセレブじゃなければ無理です。

で、何が言いたいかというと、

実は、そんな吃音の知識もあり、
ヒプノセラピーもできる稀有な先生を見つけなくても、
もっと、信頼できる人がいるんです。

そうです、

「あなた自身です」

つまり自己暗示とうやつです。

自己暗示は一番簡単なアプローチ

ヒプノセラピーが難しいのはその「暗示」の内容ではありません。

相手が信頼し、意識をシャットダウンするくらい他人見ている目の前でリラックスさせることがかなり難しいのです。

自分1人で暗示をかける行為だったらその抵抗が起きないんです。

そもそも、基本的にヒプノ自体が、「他人がかける自己暗示」だと言われています。

セラピストの仕事は、他人が自己暗示に入れるようにアシストするだけなんです。

言い切ってしまうと、そっち方面の先生から怒られそうですが、

暗示の文章さえ読み上げてくれれば、

むしろ、他人がいない方が深いリラックス状態に入やすいので、ヒプノの先生は必要はないのです。

つまり、どうやるか、

  1. 自分で暗示の文を書く
  2. それを録音する
  3. 自律訓練法をしながら、ヘッドホンをしてそれを聞くだけ

 

すっごくシンプルです。

注意点としては、
聞くときに、「言葉をちゃんと聞き取ろうとしないこと」

学校の勉強とは「逆」ですね。

ぼーと聞くこと。

ぼーっとというのがポイントで、

流れている言葉を一言一言聞こうとすると、意識が働いてしまいます。

なので、ぼーと聞き流し、
音声にしたがってぼーっと妄想しているくらいがちょうどいいのです。

ここが一番重要なポイントなのですが、

「ぼけーと妄想」実はこれが私たちの性格をつくているんです。

  • ぼけーとネガティブな妄想ばかりしている人は、ネガティブになる。
  • ぼけーっと目標達成のことを思い浮かべていれば、行動的になる。
  • ぼけーっと気になる人のことを思い出していたら、その人のことが好きになってくる。

これは知らないと恐ろしいことです。

意識を使わず、ぼけーっと妄想していることほど、
私たちの人格形成に影響を与えているという事実。

逆に、意識的に性格を変えようとするとどうなるか?

行動力がない人が、意識的に声を出し、「俺は行動力がある!」なんて100回唱えても、
目標を書いて、手帳を使ってスケジューリングしてもTODOリストを作って行動を変えようとしても、

無意識は、「あー面倒い」と思っているので、
摩擦が起き、ストレスがたまる。

結果、長く続かないという状態になります。

今、かなり重要な話をしていますよ。

この「ぼけーっと妄想」が私たちの思考、行動に一番影響をもたらしていくんです。

別の例ですが、

趣味にハマりやすい人というのも(私のことです)このぼーっとしている時間に、趣味のことを妄想していると、その趣味にどんどんハマっていくんですね。

逆にオンオフのスイッチが切り替えれる人は趣味にハマりにくいんです。良くも悪くも。

私自身、趣味にハマり過ぎて時間を無駄にしてきましたが、中毒気味な趣味もこのことを理解してから、ハマり具合をコントロールできるようになりました。

このぼーっと妄想する時間で、性格や趣向まで方向性が決まってしまうんですね。

実際にそれをやる時間よりも、ぼっーとしながら妄想している時間が多い方がより、
無意識から変わるということです。

異性との恋愛で言うなら、実際に回数をいっぱいデートを重ねるよりも、会えない間、どれだけ思い出してもらえるか?妄想してもらえるか?

ということの方が、好きになってもらうのに重要だということです。

つまり、このぼーっとする妄想を自分でちゃんと選択して行わないと
もしあなたが達成したい目標と違っているものをぼーっと妄想していたら、

意識と無意識の摩擦がおき、ストレスになり意思の力も弱まり、

達成不可能な状態を自ら作っているということです。

自律訓練法はリラックス状態が深いのでさらに強力

ぼーっとしている状態でも深度があり、
自律訓練法は慣れてくればかなり深度が深い、
無意識に書き込みやすい状態を作れます。

また、そういった状態で書き込むことによって、
ふだんぼーっとしている時の思考も、
そこで書き込んだ内容に影響されやすくなります。

やった人しかその影響力の強さをわからないと思います。
「そんなんで、本当に変わるのかと」

やる前まではそう思うのはわかります。
私もそう思ってました。

でも、体験した今は内面を変えるためにこれほど、
簡単で強力な方法を知りません。

これは続けるはトレーニングとは違い、
容易い方法なので、
とりあえずやってみて欲しいと思います。

これを知る前までは、自分を変えるために、トップダウン式のアプローチしか知りませんでした。

変えるためには歯を食いしばってでも、
行動し続けないと変えることは出来ないと思い込んでいました。

その方法で変えれたとこもありましたが、途中で面倒になったり、
ちょっとの失敗で辞めたり、8割、9割は挫折です。

トップダウン式は意思の力が必要なので、本当に心のそこからモチベーションの上がるものしか、変える努力が出来なかったです。

ボトムアップの方法は、モチベーションはいらないし、
なんなら、モチベーションすらボトムアップで上げることもできるんですね。

こういった方法を多くの人に知って欲しいという反面、
理解できない人も多いだろうなーとも思います。

理解できず、やらずして批判する人が増えるのは嫌なので
この記事にもパスワードをかけさせて頂きました。

簡単にまとめると…

あなたが、準備するものは、
「無意識に書き込む内容」と「それを録音すること」です。

この最初の準備だけが時間がかかるかもしれませんが、後は1日30分ほどイアホンを耳につっこむだけです。

最初のうちは、よくわからないかもしれませんが、
自律訓練法と同じように
自己暗示は繰り返しやればやるほど、
かかりやすくなるという性質があります。

最初の1回よりも2回目はもっとかかりやすいですし、10回目はもっとかかります。

さて、では実際、書き込む文章をどうやって書いたらいいの?

というところに入って行きます。

ですので次回は「自己暗示のスクリプトの書き方」の話をしたいと思います。

このスクプト自体は書くのはある程度勉強すれば難しいものではありません。

そもそも、難しいことが考えられない無意識の部分に語りかける言葉なので、
内容自体は複雑であるはずがありません。

無意識に投げ込む内容です。多少、文章が変でも関係ないです。
完璧なものを書こうなんて思わなくても大丈夫です。

暗示に有効なスクリプトはどういったものが有効かは、昔からその手の人たちによって研究されています。

結果が出る「型」とか、「やってはいけないルール」とうのが確立されています。

なので、それに大きく脱線しなければ十分に効果の発揮できるスクリプトが完成するはずです。

それで、十分効果があります。

それでは、

次回から数回に分けてそのスクリプトの書き方を
説明していきたいと思います。

楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。