吃音による恐怖「また、言葉が出なかったどうしよう」

吃音者が持つ会話における「恐怖」という感情。

その恐怖が起こることで、さらに吃りを誘発してしまうという事実があります。

今回のテーマは、吃音にとって関係性の深い感情、「吃音による恐怖との付き合い方」についてお話していきます。

この「恐怖」という辛く、厳しい感情を無視して吃音改善は臨めません。

人間が持っている中でも最も強い、このネガティブな感情。

それを上手くコントロールするスキルをつけることが、あなたの吃音をコントロールするための重要なピースとなります。

(読んで欲しい記事:心因性による吃音症を克服するため、脳を分解する!

吃音者が会話が辛い時に感じる「恐怖」

吃音で悩んでいる方なら、苦手な状況の際に誰しも恐怖が起こります。

中でも、電話や大勢の人と話す時、または上司と話す時など、失敗した時のリスクが高い時ほど、恐怖に襲われます。

まるで頭と身体を支配されているように感じているかもしれません。

そんな辛い状況であるほど不安が的中し、高い確率で吃ってしまいます。

恐怖が吃音を作り出しているわけではありませんが、
恐怖は吃音を誘発すると言われています。
(参考:吃音の原因、インナーとアウターについて

 

まずは、恐怖が起こっている時、なぜ吃音が出るのか?

その仕組みをしっかり細部まで理解することが、恐怖を減らす最初のステップになります。

恐怖と反応

人は恐怖という感情に支配されると、必ず身体的な反応が起こります

心拍数が増え、呼吸が浅くなり、筋肉が収縮します。
その時の顔は眉が釣り上がり、目が開き、口が固まります。

これらの身体的な反応は無意識下で起こるので、自分がその状態に気がつかない場合もあります。

「汗びっしょりの手のひらを見て」
恐怖という感情が起こっていたことに気がつく場合もあります。

大事なことは、「恐怖を感じると、身体的な反応が必ず起こる」という避けられない事実がることを認識してください。

また、それらを繰り返すと、脳の中でそれがパターン化されてしまいます。

(参考:言葉がつっかえるという、難発性吃音の脳のシナプスの発火パターン

 

恐怖が起こると取る3つの行動

まず、人が恐怖に支配されると次の3つの行動パターンに分かれます。

不安と恐怖

  1. 闘う(Fight)
  2. 逃げる(Flight)
  3. 凍る(Freeze)

 

この行動パターンはその頭文字を取って「3F」と呼ばれています。

これは動物が持つ生存本能です。生まれながらあなたの脳にすでにインプットされている反応になります。

そして、吃音者が最も取っている行動ーーそれが、
3つ目のFreeze(凍る、固まる)という反応になります。

なぜ、筋肉が固まって動けなくなるのか?
それは先ほども言ったように生存本能の仕業です。

私たちの祖先が、まだ原始時代だったころの話しです。

獣に教われた時に生き延びるための行動は、「闘って勝つ」ことか「逃げ出す」か、もしくは、敵意がないことをアピールするために「じっと息を潜めて動かない」という選択肢しかありませんでした。

そのため、吃音者に多い反応は、3つ目の「固まる」というこ選択を無意識でしてしまうのです。

Fressze(固まる)が起こると筋肉がキュッと縮み、喉、口も強ばり、気道が収縮し上手く言葉が出てこなくなります。

それが恐怖による吃音の誘発剤となります。(吃音の原因は恐怖だけではありません。あくまで1つのピースです。原因ではありませんが、恐怖によって酷くなったり、頻度が増したりします。)

(参考:朝礼の挨拶など、人前で起こる不安と恐怖の克服

あなたの吃音改善の邪魔をするもの

吃音を克服しようと努力している方で、上手くいかない人に多いとこがあります。

それは、恐怖によって判断力が劣り、吃音改善がスムーズに行かないというパターンです。

どういうことかというと、マイナス思考な方に多いのですが、言葉に詰まった時、噛んだ時、頭が真っ白になって言葉を失った時などに、「それが吃音ではなくても、吃音だと勘違いをしてしまう」ことです。

それらは吃音によるものではなく、普通の人でも極度に緊張したらよくある状態です。

悪いパターンはそれを吃音だと認識してしまうことです。

そうすると、例え順調に吃音が改善しているのにも関わらず「また吃音が出た」とネガティブになり、必要のない恐怖や不安が出てしまう。そういった人が少なくありません。

恐怖という感情は、判断力を奪います。

それに支配されている時は、それが正しいかどうか見分けがつかなくなります。

そういった意味でも、恐怖と上手く付き合っていかないと吃音改善の大きな足かせとなってしまいます。

(参考:吃音の不安の取り除く7つのチェックリスト

吃音からくる恐怖と上手に付き合っていく方法

今までの話しを聞いて「恐怖」という感情は酷い奴だと思ったかもしれません。

ですが、これは生存本能のことで話したようにあなたを守る脳のシステムです。

「恐怖」に対して鈍感な人は、無謀なことを平気で行い、自己中心的になり、社会では生きて行けません。

ですので、恐怖は決して悪い奴ではないのです。ただ、あなたに対して過保護すぎるだけなのです。

コントロールするためにファーストステップ

ですので、最初のステップは、「恐怖を受け入れる」という土台が必要になってきます。

恐怖に支配されているという感じが強い人ほど、「恐怖」を失くそうとします。

恐怖を100%取り除くことは不可能です。「ある程度恐怖を感じる」ということは諦める、そして受け入れてください。

 

歯医者に行く時、「絶対に治療で痛い思いをしたくない」という気持ちが強いと歯医者にいつまで立っても行く気が起こりません。

「ある程度痛いのは仕方ない」という気持ちが前向きな行動を取らせます。

恐怖も同じように、「会話の時、怖かったりするのはある程度は仕方ない。

まあ、ある程度、緊張感があるほうがパフォーマンスがいいというデータもあるからね」という受け入れる気持ちを持つことが最初のステップになります。

また、実際の恐怖が起こった時、それを受け入れるためには、恐怖を感じた時は、それを消そうと考えてはいけません。

まずは身体的な反応を「認識」することを意識してみてください。

「自分の身体の反応は具体的にどうなっているのか?」

それを客観的に細かく自分の反応を見てみるだけでも、恐怖は少しずつあなたにとってコントロール出来るものになってきまます。

目を背けることが一番恐怖を自由にさせる方法となります。

(参考:心因性吃音治療に対する間違えたアプローチ

恐怖の正体

なぜ、「怖いのかー」その正体は次のことからも言えます。

あなたは、「車に乗る」ことと「飛行機に乗る」こと、どっちが恐怖の感情が起こりますか?

多くの人は飛行機の方が怖いと感じるはずです。

「車に乗って死ぬ確率」と「飛行機に乗って死ぬ確率」は比べ物にならないくらい車の方が高いです。

圧倒的に車の方が危険だという統計が存在するのに、飛行機の方が怖いと感じるのです。

その大きな理由は、「飛行機は自分でコントロールが出来ない」ということが大きいからだと言われています。

車は、自分で運転をしてなくても、途中で止まったり、スピードを緩めたりしてもらうことは出来るでしょう。嫌になればいつでも降りられます。

飛行機は、乗って仕舞えば後は一切コントロールをすることが出来ません。目的地まで途中下車も出来ない上、スピードを緩めることも出来ません。あなたのコントロールする範疇はありません。

そのように、人間コントロール出来ないものほど恐怖が強くなるという性質があります。

吃音から来る恐怖を減らすためには、会話の中で少しずつコントロールできるパーツを増やして行くことが会話の恐怖を減らすステップになります。

呼吸、話すスピード、リズム、身体の使い方、考え方、など吃音が出た時によりも少しでもコントロールを取り戻すことを意識してください。

絶対に失敗するパターンはすべてを一気にコントロールしようとすることです。細分化して、1つ1つコントロールできる部分を増やして行くこと。これが大事な考え方になります。

恐怖をコントロールする3つのこと

会話の恐怖、吃音の恐怖をコントロールするためにしなければいけないことは次の3つです。
3つのこと

  1. 吃音の知識をつける
  2. リラックスするスキル
  3. 出来るかぎりのことをする

1・吃音に対する知識

吃音に対して無知であるということが最もありきたりでありながら、最初は誰しも持っている恐怖の原因です。

知らないことは絶対にコントロールできません。認識できなことはコントロールできません。

ボクサーが一番怖い相手は誰か?

ハードパンチャーでも、カウンター使いでもなありません。最も怖いのは全く情報がない相手です。

データがなく分析が出来ない対戦相手ほど、恐怖心が強くなります。

どんな強い相手でも、相手の動画を何度も見て、動きを分析し練習すれば必ず恐怖の度合いは下がります。

吃音も同じで、吃音に対する知識が無いと、吃音がまるで呪いのような恐怖を感じる人も少なくありません。

吃音は身体的な反応であり、恐れる必要はありません。ちょっとややこしいだけです。決してコントロールが出来ない怪物でも、呪縛でもありません。

知識をつけ、吃音をより理解するだけで、それに比例して恐怖が減って行きます。

2・リラックスのスキル

2つ目はリラックスするスキルです。

すぐに緊張してしまう、いろんなことを考えてしまう。自分は力を抜くのが苦手だ。

あなたも自分自身をそう思っているかもしれません。

ですが、リラックスするというのはスキルなんです。

普段、リラックスするエクササイズをしていな人はそのスキルが低くて当たり前なのです。

普段から深い呼吸をする時間を取ったり、瞑想したり、筋肉の力を抜くエクササイズをしたりして、リラックスをするスキルを向上させましょう。

そして、最初は、小さい恐怖の時から徐々にリラックスすることを試し、コントロールしていくことをチャレンジしてください。

そのステップと飛ばして、いきなり最高に緊張する場面でリラックスさせようとしても出来ないのは当然です。
すべてステップ(階段)が必要です。

どんな高い壁でも階段(ステップ)をたくさん作れば乗り越えられること忘れないでください。

挫折する人の多くは、すぐに結果を得たいと思うがために、階段(ステップ)を作らず一気に高飛びしようとします。

これが最も失敗する典型的なパターンです。

3・出来る限りのことをする

例えば、人生を決めるほど重要な試験を受けることを想像してください。

試験前、誰しも強い恐怖が起こると思いますが、テストの前にやり残したことが多いほど、恐怖は増します。

逆に、「出来る限りのことはやった」という時は、「これで駄目だったら仕方ないや」と受け入れる気持ちが自然と芽生えています。

最初で話した、「恐怖を受け入れる」という状態が自然とできているのです。

何もしない、少ししか努力しない、そういった姿勢が恐怖を増大させる大きな原因です。
吃音改善においても、「ちょっとだけやって辞める」という人はおそらく、この先何十年も吃音で悩み続けていることでしょう。

「吃音を克服するためなら、あらゆることをやる。そして、1年、頑張っても結果が出なければ諦めよう」というような考えを持っている人ほどスムーズに吃音を克服していきます。

「吃音改善に臨む強い決意」と、「失敗した時の受け入れ」その両方が出来ている人ほど、驚くほど順調に吃音が改善していきます。

ほとんどの場合、ずっと何かしら出来る限りのことをやっていれば、自分で吃音をコントロールするコツが掴めます。

吃音は多様性があり、たった1つの法則は存在しません。

吃音を効果的に改善させる一連のプロセスはありますが、その中でも自分自身で合うもの合わないものを調整していくことは必要です。

その感覚は、すぐに掴めるものではありません。

恐怖をコントロールする上でも、吃音全体を改善させていく上でも、吃音を克服するためにはあらゆることを、本気でやってみる時期が必要です。

 

吃音を誘発する恐怖との付き合い方のまとめ

  • 恐怖は吃音を誘発させる大きな要因の1つ。
  • 恐怖を感じると生存本能が働き、必ず身体的な反応が起こる。
  • 自分の身体的反応を客観的に見て、少しずつコントロールできることろから、取り戻すことを試してみる。
  • コントロールが出来る部分が増えると恐怖が減る。
  • 吃音の知識をつけ、リラックスするスキルをつけ、出来る限りのことをすれば恐怖をコントロールすることが出来る。

吃音改善を本気で挑み、真剣に改善に取り組んでいる方はそれだけで、前向きになれたり、恐怖や不安が減ってきます。

一番まずいのは、目を背け、ただ怯えていることです。
それが恐怖に支配される最大の理由です。

ですので、吃音に怯えるのではなく、勇気を出しぜひ吃音と向き合って欲しいと思います。

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